公務員へ転職しようと思っている
安定を手に入れたい
内部事情を知りたい
そういった疑問にお答えします。
結論
自分のライフプランを考えつつ、後悔のない選択をしましょう。
記事の信頼性
筆者は某県庁の行政職員(技術職)として3年間働きました。
主な担当業務は公共事業で、事業の計画をたてるところから実際に工事を発注して契約するのが主な仕事でした。
公務員は3年で退職してしまいましたが、当時の経験を発信しながら、現在はブロガー、webエンジニア、ライターとして生きています。
公務員と民間どちらも経験しているので両方のメリット・デメリットを独自の視点でご紹介します。
それでは早速みていきましょう。
配属先によっては全然ホワイトではない
公務員って定時には帰れて残業が少なく、休日も完全週休2日で悠々自適というイメージが先行しがちですが、配属先の部署によっては残業が多く、休日対応もしょっちゅうという部署も存在するもの事実です。
直接住民の生活や安全に関わったり、災害時の対応を行うような部署はそういった時間外や休日返上の対応が多くなる傾向にあります。
よくよく思い返してみると、入社したてで新人研修を受けている最中でも、そういった部署に配属された人が業務用の携帯に電話がかかってきて、対応しているなんて場面に遭遇したことがあります。
当時の自分には直接関係がなかったので、「大変だなー」という感想しか持たなかったのですが、実際自分が新採でその立場になっていたらかなりしんどかっただろうなと思います。
しかし当然ながら、すべての部署がそうではなくて、ほとんどの部署が完全週休2日で、日々の業務をうまくこなせていれば残業も少ないそういうホワイトな環境なのは間違いないです。
もしブラックな部署に配属されるとしても、ある程度の年数働いて、基本的なことを経験してから(例外も極稀にあります)だと思いますし、公務員は部署異動があるため、ずっとその部署に居続けることはないので、その何年かを耐えしのげば、ゆるい部署に行けるので安心してください。
とはいうものの、結婚して家庭を持っていたり子供がいるような人にとってみれば、かなり辛いのは間違いないです。公務員時代に筆者の上司から聞いた話ですが、当時ブラックな部署に所属していたらしく、2日徹夜していて3日間連続で家に帰れない状況が続き、今日も帰れない旨奥さんに電話した際に、上司の目に自然と涙が溢れてきたとのことです。
今は働き方改革が進んできているのでそんなことはないのかもしれませんが、一昔前はこういったことが日常的にあったらしいです。
ちなみにですが、そういった緊急性が高い対応が多い。ないしは安全に関わるような部署に、ポンコツを配置することはリスクが高いので、仕事ができる。もしくは将来を期待されているタイプの人間が配置される傾向があります。
ですので、そこの部署を経験することは公務員人生の中で確実にステップアップに繋がりますし、出世している人を見ると確実にそういったキツイ部署を経験しているので、出世のためだと思ってひたむきに業務にあたれば、確実に良い結果をもたらしてくれると思いますよ。
筆者はそういったキツイ部署に行きたくなくて公務員辞めたクチですが(笑)
良くも悪くも年功序列
公務員への転職を考える20代30代の皆さんに残念な事実をお教えします。
自分がどれだけ残業して働いていても、大きな成果を上げて組織に貢献していたとしても、その辺りにいる仕事しないおじさんよりおそらくあなたの給料は安いです。
公務員は年功序列なので、基本的に勤務年数が長ければそれに比例して給料は高くなっていきます。
例えば40歳の係長と55歳の主任級の職員がいたとして、片方は役職がついているにも関わらず、手取りの給料で比較するとほぼ同じくらい貰っているというようなケースがあります。
これが公務員で仕事をしないおじさんが増える仕組みです。頑張っても頑張らなくてもずっと働いていさえすればお金はもらえるので、昇進して責任というリスクを負いたがらず、何もしないおじさんが量産されるわけです。
公務員は投資と同じで時間を味方につけるとお金が増えると思っています。自分の年齢が上がるほど、基本給は上がりますし、勤続年数が増えるほど年金の支給額や退職金の支払われる額も増えていきます。
自分のライフプランを長期的に考え、目先の感情にとらわれず、勤続年数を伸ばしていける人ほど公務員であるメリットを最大限享受できると思います。
筆者も新卒のころは実力主義ではなく、年齢こそがものを言うこの不条理さに憤慨しておりました。筆者のように目先の感情に振り回される人は向いてませんね(笑)
同じような作業の繰り返し
公務員は基本的に法律や条例、規則や要領など何かしらの”根拠”に基づいて業務を行なっています。決裁を回すにしても、誰まで内容や金額によってどこまで回す必要があるのかなど細かく決まっていたります。
何かアクションをしようと思ったときにまずその根拠となるものが必要なんです。例えば、新しいシステムを導入しようと思っても、まずそれを導入するための根拠を作る作業から始まるわけです。これによって民間と比べて行政が時代遅れとなっていることがあります。
市町村、県、国など行政機関はざっくり3つありますが、規模が大きくなるにつれ、”根拠”の拘束力は大きくなる傾向にあると思います。(私感ですが)1番小さく、機動的な市町村がその3つの中では一番早く新しいシステムを導入しているように感じます。ですが、その首長によってもシステム導入に対する考え方が違っていて、個々の自治体によって導入の進捗が異なっているのが現状です。
公務員になったら要領や要網という単語を何度も目にすると思います。これは行政事務の処理に関する指針のようなもので、条例や規則以外の形式で定めるのが適当なものたち(ようはざっくりしたことは法律や条例に書いてあって、それらを実際どう適用あるいは運用していくかなど細かいことが書いてある)なのですが、公務員になるとこれが無数に存在し、事細かに書いてあるんです。ですので、どの要領にどういったことが記載してあるのかを覚えておくことが結構大事だったりします。
話が少しそれましたが、一番重要なことはそれらたくさんある”根拠”に基づいて業務をしているということです。それは言い換えれば”根拠”の範囲の中でしか仕事ができないということであり、根拠にもとづいて正しい手順を踏む必要があるので、新しいアプローチやアイデアが産まれるすきはありません。つまり根拠が絶対なんです。
業務にクリエイティビティは不要。新しいアプローチやアイデアがあって、それをトライアンドエラーでより洗練させていくことができるような熱意と実行力のあるというような人材は公務員には必要ありません。組織に従順で決して逆らわず、協調性があり、同じような作業をミスなく正確にこなせる人材を公務員は求めていると思いますし、組織からみてそういった使い易い人は出世しているなというイメージです。
同じような作業を繰り返すということは即ち、業務が変わり映えしないということであり、仕事がつまらないと感じ始めます。これが原因でやめていった若い職員をたくさん目にしました。公務員は転勤だったり、内部移動だったり、出向があるのである程度のスパンで業務内容が変わったり、根拠となる法例や規則も更新されてはいきます。ですが移動先で同じ作業をすることにかわりはないと思います。
そういった作業が苦じゃないよとか。給料がもらえるならなんでもいいって人はおすすめです。
まとめ
今回は公務員への転職で失敗しないために というテーマで紹介してきました。
具体的には
ポイント
・世間的にはホワイトなイメージの公務員だが、部署によってはブラック
・たくさん働いても、残業しても年功序列
・根拠に基づいて業務を行うので同じ作業の繰り返しになり、結果的に仕事がつまらなく感じる
という内容でした。
せっかく転職するんだったら後悔のない選択をしてほしいです。
今日取り上げた内容に関しては若干個人的な主観も入っていますので、あくまでも参考程度に考えていただければと思います。
ではでは