公務員の「組合」ってなに?
組合は何をしているの?
組合員になるメリットデメリットは?
こういった疑問にお答えします。
なお、『組合を辞めたいというあなたに知っておいてほしいこと』と題して、詳しい記事を書いていますので、そちらも参考にしてください。
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結論
“組合“とは職員どおしが助け合いの精神で、労働条件や処遇、賃金などの改善を図り、もって職員の福利厚生の向上を目的とする組織
記事の信頼性
筆者は某県庁の行政職員(技術職)として3年間働きました。
主な担当業務は公共事業で、事業の計画をたてるところから実際に工事を発注して契約するのが主な仕事でした。
もともと地域のために住民のために役に立つ仕事がしたいと思って入庁しましたが
現実とのギャップが大きく自分の仕事が本当に地域のためになっているのか、行政の仕事に不信感を抱くようになり
葛藤の末思い切って退社してフリーとなりました。
現在はブロガー、webエンジニア、ライターとして生きています。
それでは早速見ていきましょう。
目次
組合とは?
公務員になったばかりの人がよく勧誘される「組合」ですが、正しくは「職員団体」といいます。
どんな団体やねんって話ですが、
組合の加入者たち(組合員)が一致団結して、組合員の権利を守ったり働きやすい職場環境を作ることを目的としています。
具体的な例を挙げると、長時間労働、低賃金、休暇の取得のしやすさ、パワハラやセクハラに関わることなど等々、日々の仕事や生活の中での問題があった場合、組合員の相談に乗ったり、実際に働きかけ等を行って、職場環境の改善のための活動を行っているようです。
民間でいうところの労働組合に近いですが完全にイコールではありません。主に地方公務員や市町村職員が加入しているものを指します。
地方公務員法第25条には
この法律において「職員団体」とは、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体またはその連合会をいう。
と規定されていますが
公務員の場合は労働組合法が適用されず、民間の労働組合と比較すると、団体協約の締結権がなく、争議権が否定されていることに違いがあります。
また、警察官や消防官、自衛隊職員や海保の職員も加入はできないようになっています。(※国家公務員法第108条の2第5項、自衛隊法第64条第1項、地方公務員法第52条第5項)
上記の公務員は、スト的なことをしでかそうものなら即、市民の命や安全にかかわることが理由のようです。
ちなみに主な職員団体は以下のとおりです。
全日本自治体労働組合(自治労)
日本自治体労働組合総連合(自治労連)
日本教職員組合(日教組)
日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)
全国的な規模で展開しているところが多いですね。
組合の役割
公務員の組合って具体的に何をしてるのか?っていう話ですが、基本的には賃金交渉と処遇・職場環境の改善です。
昨今は公務員でも、ワークライフバランスを重視して、一人一人の職員がゆとりを持って生活し、よりよく働けるような職場環境の整備や改善を進める動きがあります。
地方行政であれば、どこでも係長職以上はそういった研修を行って、部下に配慮、指導しているはずです。
県や、市町村としてそういった動きが出てきたのはここ10年くらいの話で、もともとは「組合」が職員の味方になって交渉を行うことで勤務状況の改善や、残業時間の縮減など勝ち取ってきたという歴史があるようです。
そう言う意味では現在の職員がその恩恵に預かっているところもあります。
突然ですが
公務員になって初めてもらった給与明細をみて「たったこれだけ?」って思った人いませんか?
そうなんです。公務員って聞くと高給とりのイメージありますが、若い頃は全然もらえません。時間が経てば経つほど給料は増えていきますが、それまでは2、30年は働かねばなりません。
その代わり入庁当初から、社会保障や休暇制度、ボーナス等は充実している点はとても魅力的ですが。
組合の一つ目の役割が、最低限の給与水準を確保するための賃金交渉です。
ひと昔前は、公務員に対する世間の風当たりが強く、基本給カットが横行した時期がありました。公務員の給与水準は平均値になるように計算されていますが、それでも若者にはかなりキツいです。
公務員といっても、職員もいち労働者な訳で立場は弱いです。その権利を守るのが組合だったわけですね。
とはいえ、現在もそういった活動をしている組合は少なく、「形」として残っているだけ。というような組合もザラにあります。
2つ目の役割は、労働時間の短縮、必要な人員の配置、残業代の未払いなどの問題に関して改善に取り組むです。
『残業が常態化し、日付を跨ぐのは当たり前。徹夜や2徹もザラにある。9時まではみんなサービス残業だから、若手の自分は先に帰りづらい。』
なんてブラックな部署に配属されたなら、あなたはどうしますか?(※私の上司が若手だった頃の体験談です。今はそんなことないと思いますよ!)
そういった劣悪な労働環境で働いていては精神的に参ってしまいますし、仕事のパフォーマンスも低下してしまいます。
ですが、個人個人が声をあげづらいのも事実です。若手なら尚更です。そういった弱い立場の職員の味方になって、組合員もとい職員が明るく楽しく働ける職場にするのも組合の活動意義です。
他にも組合員どおしの交流のために、スポーツ大会や文化活動などのレクリエーションを開催しているところが多いです。
組合に入るべき?
結局組合には入った方がいいのか。入らない方がいいのか。はっきりしてくれやって思った方々。大変長らくお待たせしました。
組合に入った場合のメリットデメリットを個人的な視点で書いていきたいと思います。
メリット①交流の場が広がる。
行政職員になったことがある人ならわかると思いますが、所属している部署内での交流はあれど、課をまたいでの交流は意外とないものです。
単純に交友関係が広がらないばかりか、所属している部署に自分と同世代の職員がいなかった場合、気軽に相談できる人がいないと思います。これは私の経験談ですが、部署の外に知り合いがいると、なにかと仕事で役に立つことが多かったりします。
そういった時に組合を通じて内外の人間と交流ができれば、自分が所属している部署の外にも、頼れる存在ができ、より快適で円滑な公務員ライフが送れることでしょう。
メリット②何かあった時に力になってくれる。
基本は平和な行政職員ですが、配属先によってはいろんな問題に直面することもあるかと思います。
残業や超過労働、パワハラ等の問題が直面したとき、同じ部署の人間や課長など直属の上司には相談しにくいこともあったりしますよね。その点、組合は直接は関係ないので気軽に相談できるかとおもいますし、親身になって相談に乗ってくれると思います。また、交渉についても窓口となって力になってくれるかと思います。
とはいっても四六時中問題が起こるわけではないですし、組合によっては立場が弱いところもあるので、組合に加入する前に、組合員の人に質問してみるなり確認して見るのも手です。
いずれにせよ、転ばぬ先の杖程度に考えていいのではないかと思います。
デメリット①会費がかさむ
組合員になると必然的にかかってくるのが組合員費です。
これは職員の給料に何%かの定率をかけて算出しているのですが、若手職員だと大体月3000円くらいになります。
定年まで勤めたとして3000円×12ヶ月で年間36000円でこれが仮に40年続いたとするとざっくり140万円ぐらいかかります。(※実際は勤続年数とともに率も上昇するので、これよりも多くなります。)
かなりの金額ですよね。
このお金を妥当だと考えるのか、もったいないかと考えるのか。それは加入していてそれに値する恩恵を受けられているかによるかと思うのですが
先程も申し上げましたが、実際に加入している先輩職員に聞いてみるのがいいですね。
なにもメリットがないのに、月々お金を払うのは馬鹿らしいですからね。
デメリット②一旦加入すると抜けるのが大変。
組合に加入する際はあまり深く考えずに加入したけれど、時が経ち、お金がもったいなくて辞めようと決意するも、組合幹部からの引き留めにあい、ダラダラ組合員を続けるというのはあるあるです。
ので、転勤や出先の機関への移動となったタイミングでないとうまくやめられないというのが実体のようです。(鉄の意思でやめた人もいますが、、)
ちなみに筆者の場合は組合には入りませんでした。先輩職員にリサーチしたときにあまりメリットを感じられなかったのと、抜けるのが大変だということを聞いていたので、はじめから加入しませんでした。
今考えれば、正しい判断だったと思います。
まとめ
今回は公務員になるとやたらと勧誘される「組合」について深掘りしました。簡潔にまとめると
ポイント
組合(職員団体)とは労働組合のような組織。
職員がより良い環境で働けるように交渉を行ったり、賃上げの交渉を行っている。
組合員になるメリットは交流の場が広がること。何かあった時に力になってくれること。デメリットは会費と一度入ったら辞めにくこと。
といった内容でした。
筆者は加入する必要はないと感じましたが、組合員であることにメリットを感じ、組合員費を払い続ける価値があると考えるなら、組合に加入すればいいと思いますし、その価値がないと判断するなら、加入する必要はないと思います。
大事なことは他人に流されず、自分の価値基準で考えることだと思います。投資じゃないですがあくまでも自己判断で!
内容は以上になります。
いかがだったでしょうか。参考になれば幸いです。
ではでは
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